高洲堂の商品をご覧下さい

花器 姫鶴 松金箔
花器 姫鶴 松金箔
7,350 円
花器 姫鶴 飛松沈金
花器 姫鶴 飛松沈金
10,500 円
丸盆 尺 うるみ塗
丸盆 尺 うるみ塗
10,500 円
うるし話〜灰野昭郎〜

灰野 昭郎H A I N O A K I O

漆芸史研究家・奈良大学教授

1942年新潟県に生まれる。早稲田大学文学部(美術専修)卒。
京都国立博物館普及室長を経て、現在は奈良大学教授。
著書に「近世の漆工」「婚礼道具」至文堂、「高台寺蒔絵と南蛮漆器」「笠翁細工・小川破笠」京都国立博物館編がある。



花鳥蒔絵螺鈿角徳利
うるし話〜灰野昭郎〜

 

vol5_image

ちょっとした漆器販売店やデパートの漆器売場をのぞくと、コーヒーカップ、受皿、匙の漆塗三点セットが陳列されているし、東京や京都の洒落た喫茶店では器に注文つけるとこの三点セットにコーヒーが注がれて出されるところもある。漆とコーヒーの合流である。おそらく、この合流は明治四十三年のロンドンで開催れた「日英博覧会」の事だろうと筆者は考えている。この時ヨーロッパへの輸出漆器として、この三点セットが考案され製品化されたのである。近代日本の花形の貿易品の一つだったのだ。

ただ、これが生みだされるのにはさらに三百年の歴史を溯る。一六一三年の来日中のオランダ商人の手紙には「京都にて六口のコーヒー椀と皿を注文した、非常に高価なれども甚だ綺麗」と書いている。この図版の角徳利は、この当時の輸出漆器である。おそらくブドー酒を入れたものである。この六口の徳利から、六口のコーヒー椀を想像されたい。”非常に高価、甚だ綺麗“ではないか。

最終更新 2008年 11月 29日(土曜日) 12:23
 
秋草蒔絵徳利

vol4_image

杯今、アメリカの最先端のレジャー産業では月にホテルを建設するための融資を募っているそうだ。ホテル好きな筆者は出資したいがそのゆとりがない。月に人類が到達して一時期、月がその神秘性を失ったかに思われたが、そうでもなかった。依然として月は美しいし、幽玄である。平安の時代から日本人は、かぐや姫が月にすんでいると信じていたのだから。富士山と日本人、桜と日本人、月と日本人、日本人に生まれたからには、好むと好まざるとにかかわらず、これを無視することが出来ない何かがあるように思う。

今回の大振りな徳利。桃山時代の高台時蒔絵の典型的な飲食器である。意匠は菊、萩、芒という日本の秋草。この徳利になみなみとちょっと温な酒を充し、大きめな方形の盆に芒をいけた磁器の鉢をのせ、三宝に薄塩味のダンゴを供えて、月を鑑る。山の端にかかる月を鑑るとは筆者はいわない。ニューヨークの高層ホテルの窓からでもいいのだ。

最終更新 2008年 11月 29日(土曜日) 12:23
 
亀蒔絵 銚子

vol3_image

京都の猛暑の凄さについては、いろんな文章でくり返し書いている。いくら書いても詮無い事だが、書かずにはいられない。特に老いの身には深夜の三十度はこたえる。祇園のお囃子にすら、その恐怖の前兆を感じているのだ。

古来 京都の猛暑は知られている。平安の貴族たちの納涼の歌にはその切実たる体験と、それを逆に楽しもうとする心情が伝わってくる。暑さを楽しむ。猛暑に立向う若者の心根はたのもしい。真黒に日焼けして海や川図版の器など、この猛暑の涼を楽しませてくれる演出の一つではなかろうか。流水に亀。流水は勢いであり、亀は猛々しい。 吉祥の亀の姿にはほど遠い。蓋を取ったら内は華やかな朱塗りである。この器に酒を入れて、あなたはどんな杯でこれを受けるか

最終更新 2008年 11月 29日(土曜日) 12:24
 
朱漆塗りの高杯

vol2_image

高杯は折敷や盤の類の下方に支柱と基台をつけた膳である。平安時代の饗応の食膳として、当時の絵巻物(「信貴山縁起」「伴大納言絵詞」「病草紙絵巻」)に描かれている。盤の中央に高盛された飯、その周囲を小皿の菜で廻らすというもの。黒と朱の漆で塗り分けた遺品が多い。

さて、この高杯。朱漆のみの塗りである。なんの変哲もない。ただ、筆者はこの高杯に魅せられている。平安時代までいくでしょうかと問われれば、「いくでしょう」と答える。「どうしてでしょう」などと詰問されたら、そっぽを向いて黙り込むより仕方がない。日本の美には、このような説明の仕方しか出来ない美が応々にしてある。この高杯の造形美など将にそうだ。この天板の薄さ、この支柱のカーブ、などとの説明はなんの役にも立たない。器全体で表現される形なのだ。図版ではわかりにくかろう。初夏の京都国立博物館でじっくりこの朱漆の器を味わってみてほしい。

最終更新 2008年 11月 29日(土曜日) 12:24
 
楓桐菊蒔絵薬味壺(桃山時代)

vol1_image

この器をすなおに見たら梅鉢を意識した造形であろう。同形五個の備前の小壺と、その中心に象牙の蓋をもつ小壺を組み合わせて漆でつなぎ合わせている。総体黒漆塗りして各壺ごとに桐・菊・梅・萩・楓と丁字を金平蒔絵で意匠している。世にいう高台寺蒔絵の優品である。ただこの器、そのユニークさだけではない。その用途がまた凄いのだ。それぞれが薬味壺なのである。「志ほ・さんせう・こせう・からし・さんせうのこ」その中身が壺に蒔絵されている。しかし、中央の壺には何も書かれてはいない。

どなたかこの謎を解いてみたらいかがか。筆者は筆者なりの答えを持っている。が、ここでは明かさない。この蒔絵の薬味壺を中心に、桃山時代の出来るだけ豪華な宴を勝手に連想してみていただきたい。あなたの日本の食器(膳椀)に対する限界を感ずるであろう。この薬味壺、実は豊臣秀吉が愛用した食器なのだから。

最終更新 2008年 11月 29日(土曜日) 12:24
 


花器 姫鶴 飛松沈金
花器 姫鶴 飛松沈金
10,500 円
花器 てまり らん沈金
花器 てまり らん沈金
21,000 円
花器 てまり ほおずき沈金
花器 てまり ほおずき沈金
21,000 円
文箱 乾山 ほおずき沈金
文箱 乾山 ほおずき沈金
52,500 円